州によって言い方は異なりますが、アメリカでは「できる子をより伸ばす」ためのプログラムがあります。
いわゆる「ギフテッド」や才能ある子を小さなころから選抜して伸ばすため、学校ではこの子達向けに別の取り出し授業や体験学習が受けられます。
テキサス州では「GTプログラム」と呼ばれますが、駐在員できた我が家はそもそも申込すべきなのか、受かったらどのようになるか等情報がなくて1年目は試験を見送ってしまいました。
お友達家族に勧められたり、いろいろと分かってきたので2年目にチャレンジしましたので、本記事で概要や専攻の流れをご紹介します。

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出る杭を打つ日本、出る杭はより伸ばすアメリカ

飛び級できるアメリカ
日本の教育は、できない子も平均まで引き上げる能力にたけていると感じる反面、できる子にむけてのフォローは少ないように感じます。
- 「出る杭は打たれる」
- 「能ある鷹は爪を隠す」
ということわざがある通り、できる子もそれを隠す傾向さえあります。
アメリカではそんないわゆるできる子・ギフテッドと呼ばれる子たちがのびのびと才能を伸ばせるように、選ばれた子だけのプログラムが提供されています。
よく聞く、「飛び級で大学に入る」等もこれに当たりますね。
カリフォルニア州のギフテッドクラスの例
カリフォルニア州の公立学校には、「GATE(Gifted and Talented Education)プログラム」と呼ばれ、
「マグネットスクール」「ギフテッドクラス」という特別クラスに取り出し授業が行われているようです。
「才能」と一言で言っても、テストで点数が取れる点だけではなく、
- リーダーシップ
- 美術・芸術
- 音楽
- ダンス・運動
など、様々な能力の才能を指すそうです。
親だけでなく、生徒や先生が推薦することも可能

ちなみに、GATEのクラスを受けるには、その子供が特定の分野に才能があると、事前に学校区に認定される必要があります。
認定のプロセスは、
- 親発信の申し込み
- 生徒自身発信の申し込み
- 先生発信の推薦
のどちらもある模様です。
小学校低学年の時が受かりやすい?
小学校低学年で認定されることが多いようで、年齢が上がるにつれて認定数は少なくなるようです。
なお、一度認定されると、義務教育が終わるまでずっとプログラムを受けられるので、早めに申し込んだ方がお得ですね。
参考文献:Gifted Talented Education
テキサス州Katy地区の場合

私の住むヒューストンKaty地区のとある小学校の場合で記載していきますので、他の地域では異なる点があるかもしれません。
ですが、大きな流れは似ていると思うので、参考になれば幸いです。
GTプログラムは無料

Katyでは、GTプログラム(Gifted Talented Program)と呼びます。
試験は無料で受けられます。通常授業の合間に受けられるそうなので、申込時以外は親は特にやることはありません。
合格した場合も、GTプログラムは無料でうけることができます。
テスト結果は翌年度から反映
Kindergartenに入学してテストを受けて合格すると、翌年1st gradeから、GTプログラムの生徒になれます。
試験のプロセスも1年間にわたって行われるので、申し込んですぐ試験→すぐ合格とはなりません。
申し込み・選考の流れ
8月中旬に入学・進学した後、2~3週間ほどで、学校から「GTプログラム」についての申し込み案内のおたよりが届きます。
申し込むには、まず親からみた子供の評価を点数で登録してオンラインで申し込みをしました。5~7分くらいで完了なので簡単でした。
申し込み時点の点数が足切りラインに足りていないと、この時点で申し込みできないため、「もうちょっと点数上乗せできない?」と先生から個別連絡があったお友達家庭もありました。
その後、
- 1次評価:テスト(子供によると、空間把握・数的処理みたいなもの)
- 2次評価:テスト(同上)
- 3次評価:リーディング、算数
を得て、すべてにパス(受かる)すると、晴れてGTプログラムの生徒にアサインされます。
1次(2次)で落ちると、2次(3次)の前に「落ちました」と連絡が来るので、今年度はそれ以後のテストは受けることはできません。
我が子は挑戦1年目は3次評価で落ちてしまいましたが、来年こそは絶対受かる!と逆にやる気も出たようなので、思い切ってチャレンジしてよかったです。
【注意】落ちた=才能がない、ではない
- 才能・能力がないから落ちた
- 不合格ならうちの子は出来が悪い
というわけではありません。子供の成績の良しあしを決めるテストではありません。試験で見つけられる能力はほんの一部です。
試験では見つけられない才能があるかもしれないし、受験ではないし来年は受かるかもしれないので、あまり気負いせずに結果を受け止めるとよいでしょう。
事前に対策もしにくい外国人(中身をよく知らない)というもありますからね。文化的・言語的ハンデも多少はあります。
夏休みの宿題
学期末に、下記の宿題をもらって帰ります。なお、Amazonでも売っているため、気になる方は、次年度試験を受けようと思う方は、予習・試験対策として購入するのもおすすめです。

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不合格でも、毎年申し込める
もし不合格でも、毎年申し込めて不都合はないので、一度ダメでもあきらめず、また来年挑戦してみてはいかがでしょうか。
GTプログラムに合格するとできること

取り出し授業
低学年の場合は、週に1日3時間ほど、別のクラスでGTの子を集めた特別授業が開かれます。
内容は、化学体験だったり、興味関心を伸ばす工夫された授業のようです。
学年や学校によっては、1クラスをGTクラスにする場合もあるのだそう。
特別なフィールドトリップ
GTの子だけ、感性を伸ばすために科学館や博物館などの遠足(フィールドトリップ)が追加で行けるようです。※これは高学年だけかもしれません。
その他にも、様々な経験をさせていただけるようです。
いろいろなものに触れて脳に刺激を与え、才能を伸ばすためのプログラムだということがわかりますね。
先取り授業ではない
通常の授業より高レベルの授業を受けますが、現在よりも上の学年の内容を学ぶのではなく、幅広い様々な分野の学習をするようです。(例:コンピュータ、美術、エッセイなど)
どのくらいの生徒が選ばれるの?
1クラス20名ちょっと、1学年5クラスある子供が通う我が子の学校では、1stが始まる時点でクラスの中の3名が、GTクラスだったとのこと。(子供情報)
申し込み人数はわかりませんが、思ったよりも多くの子が選ばれている印象でした。
アジア人は数学でGTに選ばれやすい?
アメリカの算数・数学はとても進度がゆっくりです。一方アジア圏の算数・数学はかなり進むスピードも内容も難しいです。
中国も、例えば九九を99×99まで覚えるように、ものすごく勉強熱心ですよね。
そのためか、算数・数学のGTクラスにいるのは、ほとんどアジア人の生徒なんだとか。
中学高校のことは(人から聞いた話だけなので)確証がないのですが、数学のクラスはGTクラスに行ける、という話を聞いたので、教科ごとに選択できるのかもしれません。
英語力は関係ない
我が家がKindergartenの時に躊躇してしまった、「まだ子供が英語が不得意だから…」というのは、実はあまり関係なかったようです。
というのも、低学年は図を見て4択の中から選ぶ問題が多く、英語がわからなくても理解できる問題が多いのだとか。
「言語力ではなく、能力・才能を見るための試験」なので、GTが気になるけど英語力が…と思う方は、ぜひチャレンジしてみて下さい。
気になるなら、チャレンジしてみよう!
ご紹介した通り、
- 無料
- 不合格でも毎年再チャレンジできる
- 英語力は関係ない
- 子供のやる気を促せる
- 合格すると、様々なプログラムが受けられる
- 子供の才能に気づいて伸ばしてあげられる
- 子供に自信がつく
と、メリットもたくさんなので、気になる方や迷っている方は、思い切ってチャレンジしてみることをおすすめします。
予習したい方は、Amazon本を購入するとテスト対策ができる&イメージがつかめると思いますよ。ご健闘をお祈りしています!

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